最近、”糖質オフ”と書かれた商品をあちこちで見かけるようになりましたね。
体型を気にしている人なら糖質を気にしている人は多いと思います。
その、糖質制限に似たダイエットで近年注目を浴びているのが『ケトジェニックダイエット』。
ケトジェニックダイエットは、2014年頃からアメリカで流行り始めた糖質制限のさらに先をいくダイエットです。
今回は、ケトジェニックダイエットを始めてみようとしている人に、やり方の説明と挫折せず続けられる簡単な方法をご紹介したいと思います。
ケトジェニックダイエットとは?

ケトジェニックダイエットは、糖質を制限する代わりに良質なたんぱく質と脂質をしっかり摂ることで健康的に痩せられるダイエットです。
食事制限により身体をケトーシス状態にして、脂肪を燃焼しやすい身体にすることが目的で、健康的に痩せられる新しい食事方法になっています。
つまり、ケトジェニックダイエットを行うと、脂肪を燃焼しやすい痩せやすい身体になっていくということです。
編集部
ケトジェニックダイエットで痩せる理由
人間は、主にブドウ糖をエネルギーとして活動しています。
1日に必要なブドウ糖の量はおよそ150gで、ブドウ糖が不足すると頭がボーっとなったりイライラして仕事もうまくはかどりません。
ブドウ糖は、過剰に摂りすぎると太りすぎにつながりますが、私たちが生きていくためにある程度必要な栄養素です。
この、エネルギー源であるブドウ糖が不足してきたときに、次のエネルギー源として「ケトン体」が使われます。
ケトン体によってエネルギーが発生している状態を「ケトーシス」といい、より脂肪燃焼が促されることで痩せるのです。
編集部
糖質制限ダイエットとケトジェニックダイエットの違い
編集部
ケトジェニックダイエットは糖質制限ダイエットと同じような糖質を制限したダイエットになりますが、少しニュアンスが違います。
●糖質制限ダイエットの目的
糖質を制限することで摂取カロリーを落とす
●ケトジェニックダイエットの目的
ケトン体を体内で発生させ脂肪を燃焼させる
編集部
ケトジェニックダイエットのやり方

ケトジェニックダイエットは、糖質以外にも制限のあるダイエットで、徹底した食事管理が必要になります。
- 3大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)の摂取量を計算する
- 算出された量を守り、3食(朝、昼、晩)摂りながら2週間続けてみる
- 適度な運動は忘れないこと!
ケトジェニックダイエットの1日の摂取カロリーはどのくらい?
ケトジェニックダイエットで摂取できる1日の摂取カロリーは、個人の身長や活動量によって違います。
まずはじめに、自分に必要な総摂取カロリーがどのくらいなのか計算し、3大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)に割り当てましょう。
- 総摂取カロリーの5%を炭水化物で摂る
- 総摂取カロリーの25%をたんぱく質で摂る
- 総摂取カロリーの70%を脂質で摂る
このようになります。
編集部
ケトジェニックダイエットの計算方法
ケトジェニックダイエットを行うなら、自分の総摂取カロリーを計算する必要があります。
- 自分の標準体重を計算する
- 1日の総エネルギーを計算する
- 総エネルギーを3大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)に割り当てる
- 3大栄養素それぞれの摂取量(g)を算出する
編集部
1.自分の標準体重を計算する
まずは、自分の標準体重を計算していきましょう。
身長(m)×身長(m)×22=標準体重
(例)身長が160㎝の人の場合、1.60(m)×1.60(m)×22=56.32㎏
これが標準体重になります。
2.1日の総エネルギーを計算する
次に、1日の総エネルギーを計算しましょう。
この総エネルギーが、自分の1日の消費カロリーということになります。
標準体重×身体活動量=エネルギー摂取量
※身体活動量の目安は次の「身体活動量」を参考にしてください。
活動量 | 活動内容 | 身体活動量 |
低い | デスクワーク | 25~30キロカロリー |
普通 | 立ち仕事が多い | 30~35キロカロリー |
高い | 力仕事 | 35キロカロリー~ |
(例)身長160㎝、デスクワークで身体活動量を25にした場合
標準体重×身体活動量25(キロカロリー)=総エネルギー
※身体活動量は「特に動かない人は25」、「デスクワークだけれど動き回ることが多い人は30」という感じで自分で選んでください。
3.総エネルギーを3大栄養素に割り当てる

次に、総エネルギーを3代栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)に振り分けてみましょう。
編集部
摂取してもいい3大栄養素の量は、最初にお伝えした『ケトジェニックダイエットの1日のカロリーの割合』を参考にします。
- 総エネルギーの5%を炭水化物で摂る
- 総エネルギーの25%をたんぱく質で摂る
- 総エネルギーの70%を脂質で摂る
炭水化物の割合は総エネルギーの5%なので、
▼総エネルギー×5%=炭水化物(g)
たんぱく質の割合は25%なので、
▼総摂エネルギー×25%=たんぱく質
脂質の割合は70%なので、
▼総エネルギー×70%=脂質
このように、それぞれの数値を出していきます。
これで3大栄養素の摂取量が出ました。
次は、この摂取量を基に3大栄養素それぞれの摂取量(g)を算出していきましょう。
4.3大栄養素それぞれの摂取量(g)を算出する
これまでの計算式に、3大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)の1グラム当たりの熱量で割ると、ケトジェニックダイエットで摂取する1日の摂取量が算出されます。
- 炭水化物=4キロカロリー
- たんぱく質=4キロカロリー
- 脂質=9キロカロリー
この1グラム当たりの熱量を基に、1日の摂取量を算出しましょう。
3大栄養素(g)÷1g当たりの熱量=1日の摂取量(g)
▼炭水化物の割合(g)÷4=摂取量(g)
▼たんぱく質の割合(g)÷4=摂取量(g)
▼脂質の割合(g)÷9=摂取量(g)
このようになります。
編集部
ケトジェニックダイエットの食事について

ケトジェニックダイエットは食べないダイエットではなく、食べて体を痩せやすい状態に持って行くダイエットです。
そこで、ケトジェニックダイエットは食事の見直しが重要になってきます。
ケトジェニックダイエットをするときに摂取する量を算出したら、次はどんなものを食べたらいいのか考えていきましょう。
ケトジェニックダイエットのOK食材&NG食材

ケトジェニックダイエット中に食べられるのは、基本的に糖質(炭水化物)の少ない食材です。
糖質の少ない食材をチェックしておきましょう。
OK食 | NG食 | |
穀類 | × | ご飯/パン/麺類 |
肉類 | ほとんどOK | ー |
魚介類 | ほとんどOK | ー |
卵 | OK | ー |
乳製品 | チーズ/クリームチーズ/サワークリーム | 牛乳/ヨーグルト/アイスクリーム |
豆製品 | 凍り豆腐/油揚げ/がんもどき | あずき/あんこ/豆乳/黄な粉/おから/黒豆/豆腐/ひよこ豆 |
野菜 | レタス/キャベツ/ブロッコリー/ピーマン/ショウガ/春菊/ズッキーニ/なす/豆苗/トマト/きゅうり/アスパラガス/さやいんげん/ほうれん草 | ごぼう/人参/イモ類/かぼちゃ/玉ねぎ/とうもろこし/れんこん |
果物 | アボカド | ほとんどの果物/ドライフルーツ |
キノコ類 | ほとんどOK(特にマッシュルームがおすすめ) | ー |
海藻類 | ほとんどOK | ー |
油 | バター/植物油 | ー |
調味料 | 塩/コショウ/マヨネーズ/酢 | みりん/砂糖/ケチャップ/ソース/市販のドレッシング |
▼参考資料おいしい低糖質ロカボスタイル
糖質を制限すると聞くと、イメージ的にごはんやパンを減らせば良いと思われがちですが、意外と食材には多くの「糖質(炭水化物)」が含まれています。
編集部
ケトジェニックダイエット中にすすんで食べたい食材
ケトジェニックダイエット中は、糖質が少なくて食物繊維の豊富な食材、良質なたんぱく質や油を積極的に摂るようにします。
- ココナッツオイル
- グラスフェッドバター
- オリーブオイル
- 紅花油
- MCTオイル
- サーモン
- イワシ
- 赤身の牛肉
- チーズ
- 卵
- アスパラガス
- ブロッコリー
- ほうれん草
- キノコ類(特にマッシュルーム)
- ナッツ類(特にくるみ)
- アボカド
編集部
ケトジェニックダイエットにはバターコーヒーがおすすめ

ケトジェニックダイエットでは、主に糖質を制限しますが、脂質でしっかりカロリーをカバーすることができます。
特に、ケトジェニックダイエット期間中に摂取したい脂が「MCTオイル」です。
MCTオイルは成分のほとんどが中鎖脂肪酸でできています。
この中鎖脂肪酸は一般的な油の4倍も速いスピードでエネルギーとして使われるので、ダイエットに効果的なオイルです。
最近、ダイエットで話題になったバターコーヒーにもMCTオイルは使われるので、聞いたことがある方も多いでしょう。
バターコーヒーは、ケトジェニックダイエットを実践できる飲み物として注目されています。
編集部
- コーヒー
- グラスフェッドバター
- MCTオイル
バターコーヒーには”グラスフェッドバター”という普通のスーパーには売っていない、高級なバターが必要です。(グラスフェッドバターは250gで2,500円くらい)
編集部
ケトジェニックダイエットの期間はどれくらい?

ケトジェニックダイエットを専門家なしで行う場合は、まず2週間試してみることを推奨します。
その理由は、しっかり栄養計算通りの食事を摂っていれば、2週間でケトーシス状態がつくれるのですが、それでも体重が減らない場合は身体に合っていないということになるからです。
食事制限をしてもケトン体がなかなか出ない人もいるようですが、早い人だと3日くらいでケトン体が出ます。
編集部
ケトン体が体の中で発生すると2週間以内で3キロくらい痩せることが可能です。
2週間続けて体に合わなかったり、満足してケトジェニックダイエットを終了する場合は、少しづつ糖質を増やしていきましょう。
※いきなり糖質量を増やすとリバウンドしてしまいます。
ケトジェニックダイエットで痩せない理由

次に、ケトジェニックダイエットをしているのに「痩せない」という人の特徴をまとめてみます。
ケトジェニックダイエットで痩せない人は、次のような理由が考えられます。
- きちんと摂取量を把握していない
- 食材選びを間違えている
- 全く運動していない
- 継続的に行っていない
つまり、正しく実行できていないということです。
きちんと1日の摂取量からケトジェニックダイエットに向いている食材を選び、献立を考えて継続的に実行していれば痩せられます。
ケトジェニックダイエットは、たんぱく質や脂質をしっかり摂ることから、空腹を感じることも少なく健康的に痩せられるダイエットです。
しかも、良質なたんぱく質や油を摂ることで髪の毛や肌の調子が良くなるというメリットもあるので試してみる価値はありそうですね。
編集部
ケトジェニックダイエットのまとめ

- 糖質制限ダイエットよりも厳しい制限のあるダイエット
- ダイエットなのに脂質をしっかり摂る
- 体の中でケトン体を発生させることが目的
- 基本的に糖質の多い食材は避ける
- 自分の摂取量をしっかり守って実行すれば2週間でケトン体が発生する
- 簡単にケトジェニックダイエットができる方法はバターコーヒー
ケトジェニックダイエットは、食事の摂取量を計算して自分で糖質やたんぱく質、脂質の量を計算しながら献立を考える必要があります。
ただ単に糖質を抜くダイエットではないので、栄養の知識がない人にとっては少しレベルの高いダイエットかもしれません。
ですが、ケトジェニックダイエットを実践すれば、ダイエット以外にも美肌や美髪など嬉しい効果も期待できます。
食事の見直しにもなるので、一度試してみたいダイエット法ですね!
編集部